理化学研究所、COVID-19研究のために「富岳」を1年前倒しで試行的利用開始

日本の自然科学の総合研究所である理化学研究所は、2014年から世界最大級のITサービスプロバイダーである日本企業の富士通と共同で、スーパーコンピューター「富岳」の設計・構築に取り組んできました。2021年に「富岳」が本格稼働すれば、科学研究を支援するとともに、日本が言うところの「Society 5.0」の実現に向けて、社会の隅々まで先端技術の社会的・経済的効果を享受することができるようになります。

理化学研究所は、この重要なリソースのうち、現在インストールされている部分を計画よりも1年早く利用できるようにし、COVID-19の研究活動(治療法やワクチン接種の可能性を含む)を劇的に加速させます。モレックスのバックプレーンソリューションに関する専門知識は、この前倒しされたスケジュールを可能にします。
この高度なコンピューターシステムは、日本の文部科学省の支援を受けて開発されました。来年の「富岳」の完成時には、15万個以上の高性能中央演算処理装置(CPU)が搭載され、防災、創薬、人工知能など様々な分野の複雑な計算機研究をサポートします。これらの CPU の一つ一つを慎重かつ確実に相互接続して設置を完了する必要がありますが、パンデミック研究のためのリソースとして富岳の計算能力の一部を提供する場合には、小規模でも同様の接続が重要となります。

重要なコンポーネントを提供するための協力関係
モレックスは、「富岳」の適切な動作に必要なバックプレーンケーブルコンテンツ(コンピューター内の回路基板を接続するためのバックボーン)を提供しています。モレックスの高速ソリューションは、帯域幅と密度の向上、および最適なデータレートに対応するように設計されています。富士通のために、当社は30の標準製品と8つのカスタム設計のコネクターとコンポーネントを製造しています。個々の部品のひとつひとつが、2019年後半に退役した前身のスーパーコンピューター「京」をアプリケーション実効性能で最大100倍上回る、世界で最も先進的なコンピューティングシステムのひとつとなる「富岳」の実現に貢献します。
米国と日本の両方のモレックスのエンジニアリングチームは、凝縮されたタイムラインにもかかわらず、厳しい設計と大規模な生産要件を満たすことに注力してきました。また、モレックスの生産施設は、必要なコンポーネントを供給し、加速要求されたタイムラインを目標としながら、必要な監査へのコンプライアンスを維持するために、たゆまぬ努力を続けました。何よりも重要なことは、モレックスのグローバルチームが培ってきた関係により、需要を予測し、潜在的な製造上のボトルネックを特定し、重要なケーブルとコネクターの供給が途切れることのないように事前に作業することで、十分な準備ができていたことです。

前を向いて
モレックスは、現在インストールされている富岳のスーパーコンピューティングパワーの一部がオンラインになるまで、富士通のサポートを続けています。来年の「富岳」の完全なインストールと実装を可能にする主要なコンポーネントの供給を継続することで、私たちはまた、この間もなく発売されるレコーディング・セッティング・コンピューターの潜在能力をフルに発揮できるよう支援することに専念しています。

COVID-19 を克服するために何をしているのかについては、こちらをご覧ください。また、「富岳」とのCOVID-19 研究に関連する情報は、理化学研究所のホームページをご覧ください。